CQ13 PCNSLに対して眼科的検査,全身精査は必要か?
 推  奨 1 
PCNSLでは,眼球内リンパ腫や全身性悪性リンパ腫を合併することがあり,その有無を精査することが望ましい。(推奨グレードB)
 解  説 
 眼科的検査が必要である理由は,PCNSLではしばしば(約10~20%)眼球内リンパ腫を認めることにある。眼球内リンパ腫単独症例は,脳やCSFへの浸潤をきたすハイリスク群であり,未治療の場合,脳内への再発の根源となりやすい。したがって,PCNSL患者に対しては眼科的精査(スリットランプ検査含め)が必須であり,IPCGによるステージング精査1)(レベルⅤ),National Eye Instituteの診断指針にも含められている2)(レベルⅤ)。
 また,全身性悪性リンパ腫の精査は,もし検出された場合に中枢神経系リンパ腫が転移性腫瘍である可能性が生じる点,中枢神経系以外の病巣を標的とする治療レジメンの検討が必要となってくる点など,治療上極めて重要である。全身精査の方法として,PET検査の有用性も報告されている。MSKCCにおける小規模の後方視的研究で,166例のPCNSL疑い症例のうち,49例で全身FDG—PET検査が施行された。このうちの11%の症例で全身FDG—PET検査により全身性の悪性リンパ腫が検出され,8%の症例では全身FDG—PETが唯一の全身病変を示す検査であった3)(レベルⅣ)。この結果は,全身FDG—PET検査がCTで検出できない病巣を捉えることのできる可能性を示唆するもので,PCNSLのステージングにおける有用性を示している。
 HIV陽性の免疫不全症例では,PCNSLを発症するリスクが高いことが知られており,感染の有無をスクリーニングすることが望ましい。
◆文  献  
1) Abrey LE, Batchelor TT, Ferreri AJ, et al. International Primary CNS Lymphoma Collaborative Group. Report of an international workshop to standardize baseline evaluation and response criteria for primary CNS lymphoma. J Clin Oncol. 2005;23(22):5034—43.(レベルⅤ)
2) Nussenblatt RB, Chan CC, Wilson WH, et al. CNS and Ocular Lymphoma Workshop Group. Interna-tional Central Nervous System and Ocular Lymphoma Workshop:recommendations for the future. Ocul Immunol Inflamm. 2006;14(3):139—44.(レベルⅤ)
3) Mohile NA, Deangelis LM, Abrey LE. The utility of body FDG PET in staging primary central ner-vous system lymphoma. Neuro Oncol. 2008;10(2):223—8.(レベルⅣ)

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