小児脳腫瘍編
◎編集:特定非営利活動法人日本脳腫瘍学会 ◎監修:一般社団法人日本脳神経外科学会
第1版 序

 脳腫瘍診療ガイドライン作成事業が、日本癌治療学会-日本脳神経外科学会-日本脳腫瘍学会の連携により開始されてから7年が経過した。その結果、まず成人膠芽腫、成人転移性脳腫瘍、中枢神経系原発悪性リンパ腫について、2016年に最初の成果が発表された。そして第2弾として、
小児脳腫瘍編が今回発表されることとなった。結節性硬化症に合併する上衣下巨細胞性星細胞腫(subependymal giant cell astrocytoma:SEGA)を嚆矢とし、髄芽腫、上衣腫、胚細胞腫、びまん性内在性橋膠腫/びまん性正中膠腫、毛様細胞性星細胞腫などが順次発表されてゆく予定である。また、 成人脳腫瘍編においてもWHO Grade Ⅱ/Ⅲ神経膠腫が追加される予定である。
 今回の小児脳腫瘍編からはMinds 2014に従ってガイドライン作成を行った。Mindsとは日本医療機能評価機構によるEBM普及推進事業のことであり、エビデンスを客観的に評価し、説得力のある方法でガイドラインに落とし込むための方法論のことである 。脳腫瘍は基本的に希少疾患であり、エビデンスの数も少なく質も良くない。したがってMindsの方法論に乗せるためには、工夫と経験が必要であることが予想された。そこで、論文数や想定されるガイドラインのレベルやサイズなどから、まずは手頃なところとしてSEGAから作成に取りかかったわけである。しかしながら、担当委員の苦労には計り知れないものがあった。その膨大な努力の成果が、今回発表されることとなり、これはこの上ない喜びである。
 さらに成人3腫瘍診療ガイドラインの改訂も予定されている。脳腫瘍は多種多様であり、診療ガイドラインは広大な領域をカバーすることになる。航海は始まったばかりである。

2018年10月21日
非特定活動法人日本脳腫瘍学会 理事長
埼玉医科大学国際医療センター 脳脊髄腫瘍科
西川 亮
作成の端緒 SEGAガイドラインを公開して

 小児脳腫瘍ガイドラインの端緒として 小児脳腫瘍編の第一弾、上衣下巨細胞性星細胞腫(subependymal giant cell astrocytoma:SEGA)のガイドラインを日本脳腫瘍学会のホームページ上にアップいたしました。
 脳腫瘍診療ガイドライン 小児脳腫瘍編は、公益財団法人日本医療機能評価機構が示すEBM普及推進事業Minds(マインズ)の「診療ガイドライン作成の手引き2014」(Minds2014)に準拠して作成しているのが大きな特徴です。「第三者がトレース可能なように作成過程を記載し、資料を保存しながら、統括委員会、作成ワーキンググループ、システマティックレビュー委員会が三位一体となってガイドラインを作っていく」、これは言うは易く行うは難しな作業でありました。SCOPs、PICO、エビデンス総体の作成、バイアスリスクの評価、AGREE II、どれをとっても脳腫瘍臨床に携わる医師にとっては手強いものでした。これら多くの壁を乗り越え、SEGAガイドラインを作成、公開できたのは本部門作成ワーキンググループ市川智継委員長と委員各位の地道で真摯な活動の賜でございます。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

非特定活動法人日本脳腫瘍学会 脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会 委員長
広島大学病院がん化学療法科
杉山一彦
SEGAガイドライン作成における協力学会

一般社団法人 日本小児神経外科学会
       日本結節性硬化症学会
公益社団法人 日本臨床腫瘍学会

目  次
上衣下巨細胞性星細胞腫(subependymal giant cell astrocytoma:SEGA)
  ガイドラインサマリー
診療アルゴリズム
用語・略語一覧
  (Ⅰ)作成組織・作成方針
    1. 作成組織
      1.1. 作成主体  1.2. 上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)診療ガイドライン作成グループ
1.3. システマティックレビューチーム(SR チーム)  1.4. 外部評価委員会
    2. 作成経過
      2.1. 作成方針  2.2. 使用上の注意  2.3. 利益相反  2.4. 作成資金  2.5. 組織編成  2.6. 作成工程
2.7. 推奨の強さ・エビデンスレベル
  (Ⅱ)公開後の取り組み
    1. 作成組織  2. 導入  3. 有効性評価  4. 改訂
  (Ⅲ)スコープ
    1. 疾患トピックの基本的特徴
      1.1. 臨床的特徴  1.2. 疫学的特徴  1.3. 診療の全体的な流れ
    2. 診療ガイドラインがカバーする内容に関する事項
    3. システマティックレビューに関する事項
    4. 推奨決定から最終化,公開に関する事項
  (Ⅳ)推奨
    1. 画像診断:CQ1,CQ2
      1.1 サマリー  1.2 解説  1.3 システマティックレビュー結果  1.4 引用文献
    2. 手術:CQ3
      2.1 サマリー  2.2 解説  2.3 システマティックレビュー結果  2.4 引用文献
    3. 薬物療法:CQ4
      3.1 サマリー  3.2 解説  3.3 システマティックレビュー結果  3.4 引用文献
    4. 放射線治療:CQ5
      4.1 サマリー  4.2 解説  4.3 システマティックレビュー結果  4.4 引用文献

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