(Ⅰ)作成組織・作成方針
2.1. 作成方針
   SEGAに対する治療選択肢が増えた中,エビデンスを整理し,病態分類に基づく診療アルゴリズムと診療ガイドラインを示すことによって,SEGAを合併する結節性硬化症患者の生命予後と機能予後の改善を目的とする。
2.2. 使用上の注意
   基本的に,小児および成人の脳腫瘍,結節性硬化症を診療する医師を対象とするガイドラインであるが,想定される利用の対象は,小児および成人の脳腫瘍,結節性硬化症を診療する医療施設のスタッフ,患者・家族を含む。本ガイドラインがカバーする範囲は,結節性硬化症に合併するSEGAである。なお結節性硬化症患者にみられるその他の神経系の異常や,他臓器の合併症は,本ガイドラインのカバーする範囲に含まれない。
2.3. 利益相反
   特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会 脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会 委員・協力委員,並びに上衣下巨細胞性星細胞腫診療ガイドライン作成ワーキンググループ委員、同システマティックレビュー委員の利益相反は別に記載する。
2.4. 作成資金
   本ガイドライン作成に要した資金は,
特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会
厚生労働省がん対策推進総合研究事業
「希少癌診療ガイドラインの作成を通した医療提供体制の質向上」班(班長:小寺泰弘)
より拠出し,他の資金提供等は一切ない。
2.5. 組織編成
  ガイドライン統括委員会:
  ガイドライン作成を統括する脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会は,2009年11月に特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会の内部組織として設置され,当時の理事と協力委員3名で構成された。その後,特定非営利活動法人 日本脳腫瘍学会の新理事が委員として加わった。また,対象疾患ごとに関連学会から協力委員の参加を得ている。
  ガイドライン作成グループ:
  脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会から選出された5名に加えて,新たに関連学会からの協力委員2名に参加いただいた。
システマティックレビューチーム:重要臨床課題ごとにSRチームを2~3名で編成した。対象とするSEGAが希少疾患であること,また,脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会として初めてのMindsに準拠するガイドライン作成であることをふまえて,各チームひとりずつガイドライン委員が兼任することとした。
2.6. 作成工程
  準備:2014年11月30日の脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会で,SEGAのガイドライン作成グループが発足。上記のように7名の委員を決定した。
  スコープ:ドラフトを作成し,メール回覧のうえ,メール討議を行い,改変を繰り返してver.1.5を完成させた。これを2015年10月20日に委員全体にメールで回覧し意見を募った。その後,アウトカムの設定など修正を加えたver.1.9.4をもって最終稿とした。  システマティックレビュー:2015年10月に開始。Minds 2014に準拠した方法に慣れていないため予想より時間を要した。さらに,SEGAという希少疾患の特殊性ゆえにエビデンスが少なく,Mindsに準拠した方法の適用が困難な場面に遭遇した。
  システマティックレビュー:2015年10月に開始。Minds 2014に準拠した方法に慣れていないため予想より時間を要した。さらに,SEGAという希少疾患の特殊性ゆえにエビデンスが少なく,Mindsに準拠した方法の適用が困難な場面に遭遇した。
  推奨作成:重要臨床課題(CQ)ごとに担当委員が草案を作成し,メールで討議した。2016年10月16日にガイドライン作成グループによるミーティングを開催し,各CQに対する推奨の強さについて討議し,決定のための投票を行った。欠席者はメールで投票した。最終的に2016年12月4日の脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会にて参加委員全員の投票により決定。
  最終化:外部評価を行い,意見を反映させる。
  公開:2017年,脳腫瘍診療ガイドライン拡大委員会で最終承認を得たのちに公開される。
2.7. 推奨の強さ・エビデンスレベル
  (1)推奨の強さの提示方法について
  Minds 2014に従い,推奨の強さにエビデンスの強さを併記する。
従来の「エビデンスレベル」,「推奨グレード」は用いない。
  (2)エビデンスの強さについて
 
 

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